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ムカサリ絵馬

東北地方の某県の話。

この地域では寺院に、「ムカサリ絵馬」といわれる絵馬を奉納する古くからの風習がある。

「ムカサリ」とは「結婚」という意味の方言で、新郎・新婦が描かれている絵馬である。

幼い歳で亡くなったり、未婚のまま亡くなったわが子に、あの世で良い縁に恵まれ幸せになってほしい・・・。

天国での結婚式を想像し、残された親御さん達が、亡くなったわが子と架空の伴侶を描き、願いを込めて奉納するのだ。

「ムサカリ絵馬」を奉納する時、決してしてはいけない決まりがある。

それは、亡くなっているわが子の伴侶に生存している人の名を書くこと…。

生前、恋人がいても、けして生きているその恋人の名前を絵馬に書いてはいけない。

恋人が望んでも、親がよかれと思っても・・・けして・・・。

名前を書けば、その恋人は命を落とすことになるだろう。

「ムサカリ絵馬」には、亡くなった人の名前は書かれているが、その伴侶には名前がないのだ。

あくまでも、あの世で亡き子が出会っているだろう架空の伴侶。

架空の伴侶に、名前は必要ないのである。

亡くなったわが子に幸せを・・・「ムサカリ絵馬」は親の切ない思いが描かれている。
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